[ WORK ]おいしい東北パッケージデザイン展 2020 - Journal - YUKAKO YAMANAKA - 山中結夏子

YUKAKO YAMANAKA

[ WORK ]おいしい東北パッケージデザイン展 2020

初めて応募させていただいた「おいしい東北パッケージデザイン展」。
出品した1作品に入選をいただくことができました。

東北地域の優れた商品の販売促進やブランド化とともに、知的財産としてのデザインの意識啓発や制度普及を図ることを目的としていて、2014年から毎年開催されている公募展です。

8点の対象商品の中から私が選んだものは、「七つ森ふもと舞茸」という、宮城県黒川郡大和町というところで生産されている舞茸です。個性的な商品名は、七つの山々が寄り添い連なる「七ッ森」という土地の名前から由来しているようです。

毎日目にし口にしている「農産物」という、とても身近なものへのデザインに興味があったのと、事前に公開されたヒヤリング資料などから、生産者の思いや丁寧なものづくりの様子に惹かれて選びました。

お題は、現状のパッケージに貼るシール(帯)のデザイン。
商品単価が安いことから包材自体は高価なものが難しく、現状のPP袋のまま、いかに手に取ってもらえるようなデザインにするか?というものでした。

まずは食べてみることから!と、生産組合に購入を希望し、直接クール便で舞茸を送ってもらうところから始まりました。
実物を手に取ると、外見も味もスーパーなどで売られている量産された舞茸とはまったく別のものという印象を受けました。連なったカサの広がりや形が凛としていて美しく、豊かな自然環境に囲まれ丁寧に育てられたんだなぁと想像。そこから、この商品自体を主役として引き立たせることを何よりも大事にしたデザインを目指しました。

七つ森ふもと舞茸 デザイン案の写真

まず、舞茸の美しさをしっかり見せることを優先して、シールサイズや要素は最低限に抑えました。
また、商品の特徴である優れた味や香り、歯応え、育った環境の景色など、目には見えない部分を商品ロゴで表現しようと心がけました。

「七つ森」(連なる7つの山々)と舞茸のカサの形をモチーフにしたマーク、上品な味や香りを想像できるような有機的なラインの明朝体を使いました。縦組みにすることや豊かな森をイメージした深いグリーンを用いて高級感を意識したデザインで仕上げています。

公募展への応募は久しぶりだったので、制作過程や受賞作品からたくさん学ぶことがありました。今年もぜひ応募をしてみようと思います。